静かに暮らしたい父親の記録

中学受験、ADHD、子供と親の問題回避の記録

短期記憶が保てないことの影響「朝食を食べたのか?」

 

備忘のために記録しておくことにします。

中学生の娘、ADHD診断は小学生の頃。勉強はできるが短期的な暗記ができず学校(公立・普通級)の成績は中の下。

短期記憶が非常に弱い

短期記憶(いわゆるワーキングメモリで保持するやつ)の弱さが、どう中学生の生活に影響を及ぼすのかを記録、整理して対策したい。
十年以上生活を共にしていても、娘の記憶の抜け漏れや独特の思考ロジックに戸惑うのです。

朝食は食パンを食べた?

娘の寝起きは悪い。一人だけ朝食の時間が遅くなる。

自分(父親)「朝ごはん食べた?」
娘「食べた」
自分「何食べたの?食パン?」
娘「うん、食パンを食べた」
自分「食パン、減ってないよ」
娘「え、でも食べたよ」
自分「いや、減ってないって。6枚切りって書いてあって6枚入ってる。まだ袋は未開封。これ以外のパンは他の人が食べたからないよ。何食べたの?食べてないの?ちょっと思い出して」
娘「いや、食パンを食べた」
自分「皿は使った?」
娘「使った」
自分「使った皿はどこにあるの?」
娘「キッチンの流しに置いた」
自分「ないよ。他の人の使った分は今洗ったけど、それ以外は出てないし洗ってない」
娘「いや、使った」

娘が言うには、キッチンの中で(ダイニングテーブルは使わないで)食パンを食べてお茶を飲んで使った皿は流し台に置いた。現実は、食パンは減っていない。おそらく食べていない。皿も使った形跡はない。

お茶を飲んだと思われるコップはダイニングテーブルにある。

推測される行動と記憶

一人遅く起きてダイニングテーブルでお茶を飲んだ。その後(朝食を食べることは忘れて)なにか別のことを始めてしまった。その後、普段なら朝食後にやっている着替えに着手した。着替え終わったところで父親(自分)に朝食を食べたか?を聞かれた。

※朝食を食べたかを覚えてないって痴呆では?と思うかもしれないが、そうではない。普通の人と同じで「意識しない自動的な行動は記憶に残らない」その範囲が定型発達の人より広く深い。ルーチン化したことはできるけど、アクシデントがあるとルーチンが崩れて、どこまでやったか分からなくなる。あれ、今朝薬のんだっけ?みたいなやつ。

普段なら朝食後に着替えていて着替え終わっているので、食べたのかもしれない。それに食べてないと答えると怒られるかも、とも思って「食べた」と答える。食パンを食べたのか?と聞かれたので、自分は「食べた」と答えたのだから、普段よく朝食で食べている食パンだろうと思って「食パンを食べた」と言った。食パンを食べたのだから普段通りなら皿は使っただろうと思い。皿も「使った」と答えた。

保てない短期記憶を他人の言動と想像で補っている?

この会話でおそらく「自分は朝食を食べて、その時皿を使って、その皿はいつも通りにキッチンの流しに置いた」という記憶が成立したのではないか。

数分前の自分の行動を思い出すという行為自体やっていないのかもしれない。実際は、聞かれたことに「Yes」と回答しただけなのだが、それが抜け落ちた短期記憶に置き換わっているのかもしれない。

このあとは、今創り出して信じることにした記憶を頑なに守り続ける。明らかに現実の状況と異なるのだが、それは聞かれても「分からない。確かに朝食は食パンを食べた!」と、答える。このあたりは反抗期かも。

さらに短期記憶の補正が続く

それなら「使った皿はどこにあるのか?食洗器にある食器は他の人が使って今入れたやつだから違うよ」と聞く。すると、食器棚から使っていない食器を出して「これだ」と言う。明らかに今朝使ったものではない皿を出されて意味が分からないのだが、こんな説明だった。

「自分は確かに食器を使った。食洗器にある皿が自分が使ったものではないなら、あとは食器棚にある皿しかないから食器棚から皿を出した」思い出せない短期記憶は他の情報で補い、あとはそれに現実を合わせていく、というアプローチのようだ。

ちなみに、目の前で会話している状態だと全く意味が分からない流れになって冷静に対処できなかった。

反省点

質問のしかたを変えよう。

覚えてないことを聞くのに「〇〇したの?」は誘導になってしまう。そして、誘導に容易く乗ってしまう上に自分で信じてしまい、事実は完全にどこかへ行ってしまう。

冷静に対応しよう。

言葉を言葉通りに受け取ると、かなり意味不明の会話でバカにされているようにも感じる(実際感じた)。「こいつは、なんでこんな自信たっぷりに嘘をついているのだろう?」
「反抗にしては稚拙すぎる。中学生だよね?」
「食べてないならそれでいいのに、何なんだ?」しかし、実際のところ相手は大して悪意を持っていない。

後日:先生のアドバイス

通っている心療内科の先生に相談した結果、もらったコメントは以下。

 「このタイプのお子さんは、興味がないことは覚えられません。覚えていなくて興味もないことを聞かれて適当に答えているだけです。すごく面倒だと感じていると思います」

…お、おう。そうですか。

え、それでどう対応すればいいの?

「本人の興味がないことは放っておくのがいいと思いますよ」