なんで給料が上がらないの?(小6男子の疑問)
2月に中学受験を控える息子の疑問。
昨夜、勉強を終えてお風呂中に聞かれたことと、父(自分)の回答です。
コロナでライフワークだった塾通いができなかった時期になぜか社会の勉強(だけ!)がんばった息子は、特に近現代や公民・時事問題に強くなりました。統計データブックとか「ニュースがわかる」を読みふけっていただけのことはある。(ちなみに社会の成績はそんなに良くない)
インフレで景気が良くなるって塾で教わったよ?
息子「インフレになると物価が上がって、給料も上がるんだよね?」
父「うん、そういう仕組みだね。実際に上がる人は一部だけどね」
息子「会社が儲かって、社員の給料が上がるんじゃないの?」
父「利益が十分に出ていた企業は給料アップができる。でも、多くの企業は十分な利益がない状態で経営しているから、物価が上がって利益が出たら社員の給料上げる前に銀行に借金を返したり、古い設備を買い替えたりして、その先も利益が出る状態を作るんだよ。じゃないといずれ会社がつぶれるから」
お風呂ホワイトボードに「利益出ている会社と出ていない会社のグラフ」を書く(便利)。
息子「じゃあ、いつ社員の給料が上がるの?」
父「好景気が続いていれば、いずれ上がるよ。5年くらいすれば上がるかな」
息子「そんなにかかるの?」
父「でも、実際には好景気は何年も続かないから、給料が上がる前に景気が悪くなるね」
息子「じゃあどうすればいいの?」
父「利益が出ていない状態で経営している企業があることが問題だね。そういう経営者がいなくなればいいかもね」
小学生的な短絡思考で解決できない問題
息子「じゃぁダメな会社は潰れればいいのか。会社って国が潰せるの?どうやって潰すの?」(短絡的暴論その1)
父「いや、会社がつぶれると社員が失業するから景気が悪くなるし、治安も悪くなって何もいいことがないから、つぶしちゃダメだよ。だから、国が利益の出てない中小企業がつぶれないように税金をガンガン入れてる」
息子「え、税金もったいない。それだと意味ないじゃん。みんな利益の出てる大企業に転職すればいいのに」(短絡的暴論その2)
父「頑張って優秀な人を集めて必死に利益を出してる大企業が、なんで利益出せない会社で仕事して年取っただけの人を雇わないといけないの?雇うなら、優秀で若い人がいいよ」
息子「えー。じゃぁどうするの?」
父「どうにもなんないよ。競争って、ルールが変わらない限り強い人が勝ち続けてもっと強くなって、弱い人は負け続けるから」
小学生はわかりやすい答えがほしい
息子「本当にどうにもならないの?国が、儲かってる企業にもっと人を雇え!って言えないの?」(短絡的暴論その3)
父「いや、独裁国家じゃないんだから無理だよ。あと、そういうことすると自由競争したいアメリカが怒る」
息子「えー。じゃぁダメか」(アメリカに弱い。お前は政治家か?)
父「少しずつ、利益出せる企業だけが残るようになればいいね。時間かかるけど」
息子「そうだ…ダメな会社を全部買収すればいいんじゃない?」(短絡的暴論&最近覚えた言葉を使いたがる)
父「なんで利益出ない会社を買わないとダメなの…(お前はファンドか?)」
息子「なら、俺が買収する!」(だいたい最後は自分が問題を解決する決意を持つ。次の日には忘れているけど)
それにしても本当にファンドになるのが夢なのか!?
父「複雑な問題だから、ひとつの方法で解決はできないよ。複雑なことを複雑なまま理解してたくさんの対策を考えなさい」
息子「いや俺が全部会社買うからだいじょうぶ」(大丈夫じゃない)
大人も分かりやすい答えがほしい
これ一つで解決!ってやつ。
みんなが憧れて追い求める冴えたやり方を探したい年頃。
と思いましたが、大人でも「複雑なものは単純化して理解したい」という欲求が強い人は多いと思います。
なんでそんな難しい話するの?的なやつ。
「単純化すると正しく理解できないからです」と言っても聞いてもらえないことが多いので、何か分かってもらうのに素晴らしくいい方法はないかな。。