静かに暮らしたい父親の記録

中学受験、ADHD、子供と親の問題回避の記録

中学受験振り返り 受験する動機

どうして中学受験をしたのか?

基本的には、本人がやりたいと言ったから、というのが動機の前提です。

親としても

「楽しそうに勉強してて、確かにそこそこ勉強できそうなこの子を、このまま公立に上げてしまっていいのだろうか」

という気持ちはなんとなくあった。

ということで、振り返ります。

 

最初の動機

「もっとたくさん勉強したい」

これは小学2年や3年頃に言っていた、、と思う。

動機としては曖昧。言葉がきれいすぎるので、うまい言葉を選んで言っているような気配でもある。もう少し深堀すると「もっとたくさん教えてほしい」という気持ちがあることが分かった。要するに、小学校の授業のレベルが浅くてつまらない、というメッセージだったと思う。

「自分の力を試したい」

これは、実際に塾に行き始めた頃。3年生頃かな。最初の塾はSAPIXのようなゴリゴリの塾ではなかった。その塾では少人数でしっかり教えてもらえて、本人の満足度はそこそこ上がったはず、と思う。

その塾で、たいして勉強せずにそこそこの成績をとってしまったので、こういう発想になったのでは、と思う。

また、少人数の塾でおそらく知ってしまった。同年代と話すより、大人と話すほうが楽しい、と。

そしてこの頃から、小学校の話を家ですることが全くなくなった。

塾の話はするが、小学校の話を一切しない。これが、小学5年になるまで続く。

動機、レベル2

「いい学校に行きたい」

小学四年生になった。

今の環境に対する不満が強くなってくる。明確に、今の小学校はつまらないと思い始めていた。小学校の担任との面談でも、こう言われた。

たぶん今の環境かつまらないんだと思います。高学年になれば学校行事の委員とかもできるので楽しくなるんじゃないでしょうか。

その話を聞いて、なんで小学校の話を家でしないのか?がハッキリした。日々の生活が苦痛なのだろう。

もうこの頃には、小学校の宿題は全くやっていなかった。やれ!とも言えない。

親としても、小学校での生活はもうあまり気にしていなかった。塾の課題の確認だけやっていた。

そして、この頃から塾の授業内容が急に高度化する。

小学四年生、中学受験対策が始まっていた。

「自分の力を分からせたい」

周囲との差を明確に感じてきた頃に言っていた。

病んでるな、と思った。

動機、レベル3

「私立に行きたい」

だいぶ直接的な言い方になってきた!

5年生になった。塾はSAPIXへ。

私立に行くのは、よい教育を受けるための手段で目的ではない、という中学受験の綺麗事を子供がブレイク!する。環境を変えれば人間関係も変わるって分かったんだろうなぁ。

動機、レベル4

「公立に行きたくない」

だいぶ逆説的になってきました。

小学六年生になり、SAPIXは引退。別の塾へ。SAPIXがダメだったのは子供よりも親の問題。これは別の話で。

この頃にやっと、小学校の話を家でするようになった。行事の実行委員に立候補して、やっと小学校での自己肯定感ができてきたのだと思う。その上で、公立には行きたくない。色々な経験があったのだろう。

動機、レベル5

「……」

何が起きたのか?!

塾の指示通りに親がサポートして努力する層に勝てなくなってきた!

素の頭の良さとか、論理思考力とか、そんなの関係ない。問題を解ける奴が勝つ。いや、点数を取れる奴が勝つ。

もっと具体的に言えば、SAPIXについて行ける家庭の子が勝つ。

 

つまんねえ争いだなぁ、オイ。

 

…その流れに乗れなかった。

 

 

子供自身の意欲と中学受験の実態の、乖離

結局のところ、

ゲームのルールを理解してセオリーを外さず

一番勝ちに近い場所で戦ったやつが勝つ

それだけだ。

 

断言できることがあるとすれば。

最もゲームを理解してるのはSAPIXだと思う。

ゲームの理解と対処をひたすらやり抜く。親も自分の考えとか捨ててSAPIXの方針にならう。

SAPIXは凄いと思う。親の経験や知識が全く活かせないから毎年の状況を最もデジタルに理解して対処するSAPIXが強いというだけだ)

 

 

強い奴が、勝たない。

 

強い奴が勝てるようにしないとさ、つまんねぇよな??

自分のうちから湧き出る意欲とか、そういうの無くなっちゃうよね。

 

親が、どれだけゲームルールを理解したか?が問題だ。その点で、自分は素人だった。

結果としては、

ギリギリでルールを理解したので、なんとかなった。

 

勝負事に慣れている人が権限を持つのがいいと思う。

家庭内の序列と矛盾するかもだが。

短期記憶が保てないことの影響「朝食を食べたのか?」

 

備忘のために記録しておくことにします。

中学生の娘、ADHD診断は小学生の頃。勉強はできるが短期的な暗記ができず学校(公立・普通級)の成績は中の下。

短期記憶が非常に弱い

短期記憶(いわゆるワーキングメモリで保持するやつ)の弱さが、どう中学生の生活に影響を及ぼすのかを記録、整理して対策したい。
十年以上生活を共にしていても、娘の記憶の抜け漏れや独特の思考ロジックに戸惑うのです。

朝食は食パンを食べた?

娘の寝起きは悪い。一人だけ朝食の時間が遅くなる。

自分(父親)「朝ごはん食べた?」
娘「食べた」
自分「何食べたの?食パン?」
娘「うん、食パンを食べた」
自分「食パン、減ってないよ」
娘「え、でも食べたよ」
自分「いや、減ってないって。6枚切りって書いてあって6枚入ってる。まだ袋は未開封。これ以外のパンは他の人が食べたからないよ。何食べたの?食べてないの?ちょっと思い出して」
娘「いや、食パンを食べた」
自分「皿は使った?」
娘「使った」
自分「使った皿はどこにあるの?」
娘「キッチンの流しに置いた」
自分「ないよ。他の人の使った分は今洗ったけど、それ以外は出てないし洗ってない」
娘「いや、使った」

娘が言うには、キッチンの中で(ダイニングテーブルは使わないで)食パンを食べてお茶を飲んで使った皿は流し台に置いた。現実は、食パンは減っていない。おそらく食べていない。皿も使った形跡はない。

お茶を飲んだと思われるコップはダイニングテーブルにある。

推測される行動と記憶

一人遅く起きてダイニングテーブルでお茶を飲んだ。その後(朝食を食べることは忘れて)なにか別のことを始めてしまった。その後、普段なら朝食後にやっている着替えに着手した。着替え終わったところで父親(自分)に朝食を食べたか?を聞かれた。

※朝食を食べたかを覚えてないって痴呆では?と思うかもしれないが、そうではない。普通の人と同じで「意識しない自動的な行動は記憶に残らない」その範囲が定型発達の人より広く深い。ルーチン化したことはできるけど、アクシデントがあるとルーチンが崩れて、どこまでやったか分からなくなる。あれ、今朝薬のんだっけ?みたいなやつ。

普段なら朝食後に着替えていて着替え終わっているので、食べたのかもしれない。それに食べてないと答えると怒られるかも、とも思って「食べた」と答える。食パンを食べたのか?と聞かれたので、自分は「食べた」と答えたのだから、普段よく朝食で食べている食パンだろうと思って「食パンを食べた」と言った。食パンを食べたのだから普段通りなら皿は使っただろうと思い。皿も「使った」と答えた。

保てない短期記憶を他人の言動と想像で補っている?

この会話でおそらく「自分は朝食を食べて、その時皿を使って、その皿はいつも通りにキッチンの流しに置いた」という記憶が成立したのではないか。

数分前の自分の行動を思い出すという行為自体やっていないのかもしれない。実際は、聞かれたことに「Yes」と回答しただけなのだが、それが抜け落ちた短期記憶に置き換わっているのかもしれない。

このあとは、今創り出して信じることにした記憶を頑なに守り続ける。明らかに現実の状況と異なるのだが、それは聞かれても「分からない。確かに朝食は食パンを食べた!」と、答える。このあたりは反抗期かも。

さらに短期記憶の補正が続く

それなら「使った皿はどこにあるのか?食洗器にある食器は他の人が使って今入れたやつだから違うよ」と聞く。すると、食器棚から使っていない食器を出して「これだ」と言う。明らかに今朝使ったものではない皿を出されて意味が分からないのだが、こんな説明だった。

「自分は確かに食器を使った。食洗器にある皿が自分が使ったものではないなら、あとは食器棚にある皿しかないから食器棚から皿を出した」思い出せない短期記憶は他の情報で補い、あとはそれに現実を合わせていく、というアプローチのようだ。

ちなみに、目の前で会話している状態だと全く意味が分からない流れになって冷静に対処できなかった。

反省点

質問のしかたを変えよう。

覚えてないことを聞くのに「〇〇したの?」は誘導になってしまう。そして、誘導に容易く乗ってしまう上に自分で信じてしまい、事実は完全にどこかへ行ってしまう。

冷静に対応しよう。

言葉を言葉通りに受け取ると、かなり意味不明の会話でバカにされているようにも感じる(実際感じた)。「こいつは、なんでこんな自信たっぷりに嘘をついているのだろう?」
「反抗にしては稚拙すぎる。中学生だよね?」
「食べてないならそれでいいのに、何なんだ?」しかし、実際のところ相手は大して悪意を持っていない。

後日:先生のアドバイス

通っている心療内科の先生に相談した結果、もらったコメントは以下。

 「このタイプのお子さんは、興味がないことは覚えられません。覚えていなくて興味もないことを聞かれて適当に答えているだけです。すごく面倒だと感じていると思います」

…お、おう。そうですか。

え、それでどう対応すればいいの?

「本人の興味がないことは放っておくのがいいと思いますよ」

 

中学受験振り返り 2020年春、休校期間のこと

 

2021年、1月現在。

前回の学びを活かして、緊急事態宣言は発令されたが、学校は休校を免れた。

(対面・会話が問題だと分かったのに、単に外食を制限したのは学びが活きてないのだが。まぁ、喋りながらでないと食事できない人がいてその層は理解力が低くルールを守れるだけの自制能力も低い、よって場を制限するしかない、という高度な政治的判断だよね、これは)

多くの子を持つ親(特に働いている親)が色々と負荷を背負った前回の悲劇が繰り返されなかったことは良かったと思う。

2020年春の休校期間、中学受験生たちはどうだったのか?

2020年春の休校期間は、とても大きな気付きの時間だったと思う。そして、できれば二度と経験はしたくない。親として、一人のビジネスパーソンとして、非常に不健康で辛い時期だった。

特に、我が家は次の中学受験を控える息子がいた。

受験まで1年を切った3月から、小学校が休みに、、、、、、いや、小学校が休みかどうかは正直どうでもいい。子供が家にいるなかでの在宅ワークは親としてしんどかったのだが、それはそれ。

何が問題だったか。明白だ。

塾が止まった。

基本的に、家での勉強も大事だが塾でしっかり勉強してほしい、と考えていた。

まず受験が本人希望なので、親が強制力を発揮していない。その家庭環境で勉強するより、塾にいったほうがいいよね、となる。

親として言っていたのは、

  • やる以上は決めたことをしっかりやりなさい。決めたことは守ること。
  • 目標があるならそれに向かって努力しなさい。結果はどうあれ力になる。
  • 時間は有限なのでできるだけ集中してやりなさい。※特に息子は内省思考が強くボーっとしがち。

このあたり。本人の勉強への取り組み方の問題は、またあとで書く(かも)。

で、塾のほうが専門家の集団なのだから、いずれにしても塾の言うことを理解して塾の場で勉強したほうがいい。こっちは、初心者だし、中学受験という領域を極めようという意欲などは全くない。よい環境を子供に用意することの重要性は理解しているし、学校環境には興味はあるが、そこに至る中学受験システムは必要に迫られて乗っているだけで興味はない。

その塾に行けなくなったことが問題だった。

休校中の時間の使い方が…

休校が終わってしばらくして、だいたい9月くらいからだろうか、いろいろなメディアやブログなんかで、今年の中学受験は休校期間中の時間の使い方が左右するだろう、などの記事が増えた。

まぁ、学校に行かなかった分を全部受験勉強に振り向けてしっかりできていれば、成績上がるよね、という安易な話から、休校中の各塾の動向とかまで色々と話題は尽きないようで。特に、一時期はオンラインでの授業継続の可否が話題だった。

個人的には、休校中の時間の使い方は確かに差が出る要素にはなったと思うが、結局「3~5年生のうちに知識の積み重ねができていたか」のほうが影響度合いは大きかったように思う。

6年生になってやることは、5年生までの知識と解法の基礎を使った応用・実践に入るので、塾講師からのフィードバックがないとあまり成立しない。

かつ、6年になるまでに上記の知識と解法の基礎ができていない場合はこの復習から入る(のだと思う。それとも難問はあきらめるのかな?)ので、いずれにしても対面授業が効果的なタイミングだったと思う。

塾が休校になってしまうと、講師からのフィードバックは両親が間に入る前提になる。超面倒である。親の入り方が悪いと効果も下がるだろう。

実際どうだったか

実際のところ、休校中は応用や実践の習得はあまり進まず、基礎の繰り返しをひたすらやったことで差がついた(かも)となったのではないかと思っている。

私立中学校は、学校によって出題傾向が全く異なるので、基礎の繰り返しが効果を現す学校なら差は大きいし、独自色の強い学校なら休校期間にひたすら読書してました、とかのほうが結果は良いものになったのかもしれない。

うちの息子は、もともと得意では?と思われていた算数が応用・実践に入ってつまづき(正確にはもっと前からつまづいていた)、理社の知識面の不足は休校中にカバーができた。

良くも悪くもなかったが、塾から送られてくるテキストが届くのを楽しみに待っていたし(郵便が届くとすぐに確認していた)、配信される塾の授業動画はまるでアニメを見るように楽しそうにゴロゴロしながら見ていた。本人のストレスが増えずに過ごせていたのかもしれない。

補足:子供にとってかわいそうだった、と思う前に

新型コロナウイルスの感染拡大の中で子供時代を過ごす今の子供たちはとてもかわいそう、という話を聞く。たまに子供のいない人からそういう話をされる。

まぁ、そういう側面もあるかもしれない。

実際はどうだったか?2020年春の休校期間中を振り返ってみて

自分は、人それぞれだったと思う。

ただ、ひとつ言えることは。

小中学校が強制していた画一性から解放されたのでは?

普通の公立の小学校では、周囲に合わせることを学ぶ。色んな意見があって、みんな良い、という教育を受けてそこで話が終わってしまうので、議論の仕方は学べない。みんな違うけど、それはいいけど、周囲にあわせようぜ、と教わる(これは本当に)。

公立の中学校に行くと、その環境はあまり変わらず、ただ緩くなる。寛容に。中学生まで行くと個々の生徒の能力差が開きすぎていて、画一的な教育とかはもはや無理な域になる。トップ高校に向けて勉強する生徒と、小学校の分数でつまづいてそれ以降数学が全く分からない生徒が同じ授業を三年間受ける。けっこうヤバい。でも現実だ。

そんな、学校という場から解放されて子供たちはどうなるか?

一つは、親がずっと面倒を見て怠惰な生活になんとか落ちずに生活したパターン。

あとは、千差万別。

中学受験を目指していた子供たちはラッキーだった。やることがある。あとは、塾に行かずにできるか?もともと少しでも勉強に興味があったのか?

人によっては、何か自主的な活動ができた子供もいた。おそらくごく一部。

近所の小学生達は、2020年春の休校期間中、毎日朝から晩まで外で遊んでいた。毎日同じ遊びで飽きないの?と思うくらいに遊んでいた。

自分は在宅のリモートワークだったので、日中は外からずっと子供のギャーギャー騒ぐ声がして「ちょっとうるさいなぁ、まぁでも子供だから騒ぐよな」と最初は思っていた。

じきに、近所からクレームが入るようになった。子供にクレームを入れる近所の老人は、子供の区別がつかないので外で遊んでいない我が家にも文句を言いたげ。まぁ、これも起きるだろうな、と思っていた予想範囲の一つ。ちなみに最後は警察がきた。

で。近所の子達は、休校期間中ずっと外で朝から暗くなるまで遊んでいた。休校期間が終わったあとも、しばらく短時間の学校のあとは遊んでいた。

遊ぶのは、やることがなかったから

遊ぶことは社会性を身に着ける大事なことなので、遊ぶのはいい。子供は外で遊んでいるのが自然だということもわかる。親が遊ばせてばかりで面倒を見ない気持ちも分かる。面倒くさいし、親は親で色々負荷が高かった。事情は全部飲み込める。

問題は、結果。

彼らは、ただ遊んでいた。

小学校という場から解放された結果、一日中遊ぶ以外のやることがなかった。

遊び疲れて(遊び飽きて)、アスファルトに座り込んで。目の前を横切る自分や他の通行人をボーっと下から見上げていた子供たちの目を、よく憶えている。

たまに声をかけると、いや声をかけなくても、いつも言っていた。

「あー、ヒマだ」と。

遊びたくて遊んでいたわけですらなかった。彼らはただ、ヒマだった。

何もやることがなかった。

これが、自分はすごく恐ろしかった。

残り20日の中学受験 振り返り

かなり前、中学受験について記録を残そうかと思ってここで書き始めたが、もともとあまり興味がなかったので速攻で挫折した。 

今6年生、あと20日後に受験本番が始まる息子のこれまでについて、少しずつ書き残そうと思うが、本当に最後までやるかはどうでしょうね。

では、思いつく順番にざーっと書いてみます。

中学受験は本人の希望。スタートは3年生くらい

小学校に入ったころ、いわゆる算数の教室に通い始めた息子は次第に自分がそこそこできる、ということに気付く。そして、小学校でも自分ができることに気付き始める。

その教室の保護者向け説明会で中学受験について知る。両親はともに未経験。やらせるつもりもなかった。ただ、息子はやってみたいと言う。

通っていた教室の中学受験コース(塾)に入ったのが3年生の頃。

当時の親の気持ちは「まぁ、やりたくて多少は可能性があるならやってみたらいいよ」程度。

中学受験対策を始めた頃を、今から振り返ると

  • コストについてあまり真剣に考えてなかった。中学受験の塾代は高い。これはその後、収支計算して中学受験する息子以外も含めた教育費の試算をすることになる。
  • 公立中学校の教育レベルをあとから知ることになる。結果的には、受験を目指すのは悪くない選択だったかもしれない。
  • 住んでいるエリアの高校受験のルールを知らなかった。これもあとで問題になる。自分が生まれ育ったエリア以外で子供を育てる場合は要注意ということ。
  • あまり子供の受験に関わるつもりはなかった。自分の時は自分で決めたし、そういうものだと思っていた。現実は。。。

 

と、今回はこのくらいで。

自分は、中学校は受験に落ちたら公立に行けばいいので、けっきょくあまり強く気にしてはいない。ただ、お金があるなら私立に行ったほうがいい、ということはほぼ確実だとは思う。うちは、お金がすごくあるわけではないので、必ず私立に、とは考えていない。

最後に

自分のことを、子育てそのものには興味があるほうだと思っている。が、中学受験のシステムは好きになれないし、それこそ某漫画のような狂気はアホだと思っている。

 そのルールに乗ってワーワー言っている大人もどうかと思う。が、けっきょくのところ、よほどしっかりしている子供でないと中学受験をやりきることはできず、大人がマネジメントしないと上手くいかないのは、まぁそうだな、という感じ。

ここ2年くらいは、毎週末、ほぼ毎日、塾や勉強関連で自分(父親である自分)のことはほとんど手についていない。ゴミのような毎日だった。

そろそろそれが終わると思うと、楽しみで仕方ない。受験の結果もまぁ、合格できたらいいね。とは思う。

なんで給料が上がらないの?(小6男子の疑問)


2月に中学受験を控える息子の疑問。
昨夜、勉強を終えてお風呂中に聞かれたことと、父(自分)の回答です。

コロナでライフワークだった塾通いができなかった時期になぜか社会の勉強(だけ!)がんばった息子は、特に近現代や公民・時事問題に強くなりました。統計データブックとか「ニュースがわかる」を読みふけっていただけのことはある。(ちなみに社会の成績はそんなに良くない)

インフレで景気が良くなるって塾で教わったよ?

息子「インフレになると物価が上がって、給料も上がるんだよね?」
「うん、そういう仕組みだね。実際に上がる人は一部だけどね」
息子「会社が儲かって、社員の給料が上がるんじゃないの?」
「利益が十分に出ていた企業は給料アップができる。でも、多くの企業は十分な利益がない状態で経営しているから、物価が上がって利益が出たら社員の給料上げる前に銀行に借金を返したり、古い設備を買い替えたりして、その先も利益が出る状態を作るんだよ。じゃないといずれ会社がつぶれるから」

お風呂ホワイトボードに「利益出ている会社と出ていない会社のグラフ」を書く(便利)。

 

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利益が出ている会社と出ていない会社

 

息子「じゃあ、いつ社員の給料が上がるの?」
「好景気が続いていれば、いずれ上がるよ。5年くらいすれば上がるかな」
息子「そんなにかかるの?」
「でも、実際には好景気は何年も続かないから、給料が上がる前に景気が悪くなるね」
息子「じゃあどうすればいいの?」
「利益が出ていない状態で経営している企業があることが問題だね。そういう経営者がいなくなればいいかもね」

小学生的な短絡思考で解決できない問題

息子「じゃぁダメな会社は潰れればいいのか。会社って国が潰せるの?どうやって潰すの?」(短絡的暴論その1)
「いや、会社がつぶれると社員が失業するから景気が悪くなるし、治安も悪くなって何もいいことがないから、つぶしちゃダメだよ。だから、国が利益の出てない中小企業がつぶれないように税金をガンガン入れてる」
息子「え、税金もったいない。それだと意味ないじゃん。みんな利益の出てる大企業に転職すればいいのに」(短絡的暴論その2)
「頑張って優秀な人を集めて必死に利益を出してる大企業が、なんで利益出せない会社で仕事して年取っただけの人を雇わないといけないの?雇うなら、優秀で若い人がいいよ」
息子「えー。じゃぁどうするの?」
「どうにもなんないよ。競争って、ルールが変わらない限り強い人が勝ち続けてもっと強くなって、弱い人は負け続けるから」

小学生はわかりやすい答えがほしい

息子「本当にどうにもならないの?国が、儲かってる企業にもっと人を雇え!って言えないの?」(短絡的暴論その3
「いや、独裁国家じゃないんだから無理だよ。あと、そういうことすると自由競争したいアメリカが怒る」
息子「えー。じゃぁダメか」(アメリカに弱い。お前は政治家か?)
「少しずつ、利益出せる企業だけが残るようになればいいね。時間かかるけど」
息子「そうだ…ダメな会社を全部買収すればいいんじゃない?」(短絡的暴論&最近覚えた言葉を使いたがる)
「なんで利益出ない会社を買わないとダメなの…(お前はファンドか?)」
息子「なら、俺が買収する!」(だいたい最後は自分が問題を解決する決意を持つ。次の日には忘れているけど)

それにしても本当にファンドになるのが夢なのか!?

「複雑な問題だから、ひとつの方法で解決はできないよ。複雑なことを複雑なまま理解してたくさんの対策を考えなさい」

息子「いや俺が全部会社買うからだいじょうぶ」(大丈夫じゃない)

大人も分かりやすい答えがほしい

これ一つで解決!ってやつ。

みんなが憧れて追い求める冴えたやり方を探したい年頃。
と思いましたが、大人でも「複雑なものは単純化して理解したい」という欲求が強い人は多いと思います。

なんでそんな難しい話するの?的なやつ。
「単純化すると正しく理解できないからです」と言っても聞いてもらえないことが多いので、何か分かってもらうのに素晴らしくいい方法はないかな。。

言葉ナビ下巻の登場と仕事をするための語彙力

先日、SAPIX小学5年生の長男が、言葉ナビ下巻を持って帰ってきました。

言葉ナビは、漢字(対義語類義語などもろもろ)やことわざ、慣用句などがひたすら説明されているイカしたテキストです。毎月のテスト範囲にも含まれてます。 

 

ざっと見てみると、4ページに一つくらいの確率で自分も聞いたことのない用語・ことわざが出てきます。

自分は仕事の一部として日本語のライティングをやったり教えたりしているので、言葉には強い、、一応プロのはずですが、その視点から見てもちょっと難しいです。

小学生より上の学生だとしても、全部知っていたら感心するレベルです。

全部を覚える必要はないなぁ、と思います。

 

自分は中学受験はしていないし、大学も大したレベルのところを出ていません。ことわざや語彙を単独で勉強した記憶もない。

基本的には、本を読む過程で、文脈やその背景の環境・テーマ・筆者の属する文化と合わせて覚えるものだと思っています。

言葉だけ取り出してきて、単独で結構がんばって記憶している子供の努力や記憶力はすごいですね。

 

自分は、若いビジネスマンを相手に、日本語のビジネスライティングを教える機会がたまにあるのですが、まずスタート地点が人によって大きく違うと感じます。

この違いは単純で「読書をしてきたか、してこなかったか」です。

仕事をし始めるのは20代そこそこからで、それまでの20年の積み重ねによって差が出る、というイメージです。20年という時間は、ちょっと勉強したりテクニックを身に着ける程度ではひっくり返りません。

読書をしてこなかった層には

「できる人とは20年くらいの差がある。これは5年10年では取り返せないほどの違い。さらに、これまで読書をしてきた人達は今後も日常的に読書をし続けるので、差が縮まることはない。そのくらいの自覚を持ったほうがいい」

と伝えています。もちろん、それ以外にも色々伝えますが。

 

次に感じる違いは「自分で文章を書いてきたかどうか」です。

この差は、若いうちにはあまり表面に出ません。30代くらい、管理職に近づき始めると唐突に表出します。

管理者になると、自分で作文する機会が増えるのです。そこで初めて、自分の語彙力の貧弱さに気付きます。説得力のある提案文書が書けない。部下へのフィードバックのコメントに変化をつけられない。強い意志や真意を伝えられない。

とはいえ、ここは頑張りどころで、努力するとなんとかなります。最近は、大人の語彙力を教える本も出ているので、よく読んで、そして書く機会を増やせば上達します。

と、言っても、実際は偉くなれば「自分より書ける人間を確保する」という選択が持てるので、それで何とかなっている人が多いですね。

 

なんにしても、若いうちから、というか子供のうちから「自分も成長する過程で文章を書くことになるんだ」という意識を持っていると良いと思います。

もちろん前提として「読書をたくさんする」というのは当然のことですが。

自分も書く、という意識を持っていると、知らない言葉に出会ったときに「これは格好いい、きれいな表現だから自分もいずれ使いたい」と思います。思わないかな。。

少なくとも自分はそう思って、いつも辞書を片手に読書していました。

なので、言葉は読書の過程で覚えていた、自分で書くという意識だから(たぶん)覚えられた、という話です。

 

これも、中学受験をする子供には難しいですね。勉強する時間のせいで読書時間がとれないという意味の分からないジレンマがあるので。

国語の教材やテストで扱われている作品の中で、少しでも子供が興味を持ったら、たとえすぐに読まなくても、その本を買ってあげるのがいいと思います。

 

ちなみに、言葉ナビ下巻の最後のほうに「野球にまつわる用語」なんて項目があり、野球用語とか野球から来た言葉(外野がうるさい、とか)の説明が載っていました。

これは、作家あさのあつこ氏のせいですね。残念。

 

5年生社会:少子高齢化についての学習

SAPIX5年生の社会で、前回のテーマが人口問題でした。

授業を聞いてきて「女性が仕事をするようになったから子供が減ったんだ」と急に言い出す長男。

いや待て、そんな短絡的なことをテキストに書くSAPIX様ではなかろうと思い確認すると、やはりそんなことは書いていない。

 

(共働き世帯が増えるにあたって)

「仕事と育児を両立させるための環境が十分とは言えない」

 

が実際の記載でした。

そうですよね。

 

「経済発展して先進国化すると就労環境が高度化する」

「高度な環境で働くために就学期間が伸び教育コストが上がる」

「一人の子供の教育コストが上がるので出生数が抑制される」

「その状態で教育コストを国などが公的に補助しないと少子化が加速する(日本は補助しなかった)」

「で、その状況に対抗するには収入を上げるのが手っ取り早く、ダブルインカムのほうが全体として収入が上がる」

「だから女性が仕事をしているほうが収入が上がり、出生率も上がる」

「実現するには、仕事を育児を両立させるための環境が必要!」

 

と、こういうロジックのはずで、これが知識ですね。

 

「女性が仕事をするから子供が減る」は、知識ではなく迷信です。

 

 中学受験が、知識の詰め込み競争になっている一方で、私立中学は考える力を求めていて、必要になるのは上記のようなロジックを組み立てられる力と、幅広い知識+知識を関連付ける想像力です。イマジネーション。

学校や塾でそこまでのフォローはできないので、家庭でのフォローとして、こういったロジックを教えるのがいいのだろう、と自分としては思います。

ロジックで仕事をしている割合の高い父親がやるべき範囲でしょうね。自分はあまりできてないですが。